母親をガンで亡くしました
私は24歳の時、母を亡くしました。
当時母親が49歳、阪神大震災の少し後です。病名は癌。私は24歳でした。
その頃私は、看病で毎日病院に泊まっていました。
母は臥せっている時間が多かったものの、亡くなる前日までギリギリ立ち上がることができ、末期とはいえ、まだまだ時間は残されていると思っていました。
ある朝6時頃、突然苦しみだしました。今までそんなことはなかったので驚き、私は
ナースコールを慌てて押しました。すぐに当直医と看護婦さんがやってきて、苦しんでのたうち回る母の姿に騒然となり、初めてのモルヒネの準備が行われました。
「お父さん、お父さん(私の父)」
苦しみながら、何度も父を呼び続けていました。
父は毎朝6:30頃病院に顔を見せるのが日課でしたが、その日病室に現れたのは、まさにモルヒネ投与の瞬間でした。
状況を理解した父は母の呼び声に応えるように、母の名を何回も大きな声で呼びました。
その数秒後。
あんなに暴れていた母は静かになり。
呼吸がゆっくりになり。
モルヒネが効いてきたのだとホッとしたのも束の間。
母は息をひきとったのです。